相互理解促進と
人的ネットワーク形成のために

新浪 剛史

公益財団法人 留学生支援企業協力推進協会は、平成元(1989)年4月設立以来、36年目を迎えました。ご関係の皆さまのご支援・ご助力に厚く御礼申し上げます。

当協会は、企業の社員寮に海外からの留学生を受入れることにより、留学生に安定した宿舎を提供するとともに、社員寮での日常生活を通した相互理解の促進を目的とする「社員寮への留学生受入れプログラム」を推進しています。

このプログラムは、公益社団法人 経済同友会の提唱により始められ、当協会が引き継いだものでありますが、社員寮で生活する留学生からは、「入寮できたおかげで経済的に助かり安心して勉学に打ち込める」「日本社会や日本企業を深く理解することができた」という声が寄せられ、また一方で、社員にとっても異文化に接し国際感覚の醸成に役立つと評価されています。

世界はますます国境という壁が低くなり、相互理解・相互信頼の必要性が一段と高まっています。このような流れの中で、アジア諸国を中心とした海外から我が国の高等教育機関への留学生は、2023年5月現在188,555人に達しています。

アジア諸国をはじめ各国にとって、人材の育成は最も重要な課題のひとつであり、我が国に対する期待はたいへん大きいといえます。政府は留学生受入れ拡充のための諸施策を展開していますが、外国人留学生の受け入れは、諸外国の人材を我が国において育成することを通じた知的国際貢献であり、国際的に活動する企業にも、留学生への積極的な支援が強く求められています。

「社員寮への留学生受入れプログラム」では、今日までに 6,354人を超える留学生が社員寮での生活を経験しており、彼らは日本で、母国で、そして世界の各地において日本の良き理解者として力強く活躍しています。

当協会は、今後ともより多くの企業やご関係の皆さまのご参加・ご協力をいただき、我が国と諸外国との相互理解促進と人的ネットワーク形成のために、着実に事業を推進してまいります。一層のご理解とご支援をお願い申し上げます。